0120-353-048

平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00

メールでのお問い合わせ 24時間・365日受付
メニュー メニュー

過労死ラインになる前に対応を。ブラック企業に残業代請求する方法

2017年11月28日
  • 残業代請求
  • 残業代
  • ブラック企業
  • 過労死
過労死ラインになる前に対応を。ブラック企業に残業代請求する方法

近年、厚生労働省が労働基準関係法違反の疑いで送検された国内企業リスト(通称:ブラック企業リスト)を、発表するなど、ブラック企業に対する注目が高まっています。
あなたの会社も「うちの会社は残業代出ないから…」などと上司や社長に言われて、残業代の請求を諦めていませんか?サービス残業が当たり前になっていませんか?
確かに、社内の暗黙のルールになっていれば、自分だけ残業代を請求するのは心情的にはばかられるものです。

しかし、それではブラック企業の思うツボです。そういった雰囲気をつくり出して、サービス残業を強要するというのが、ブラック企業の常套手段です。
残業代請求は正当な労働者の権利です。請求することに後ろめたさを感じる必要はありません。悪いのは、労働の対価である適正な残業代を支払わない企業側です。


そこで今回は、残業代請求についてベリーベスト法律事務所 松山オフィスの弁護士が解説します。本コラムで残業代請求について理解を深め、ブラック企業であっても臆することなく、労働者の権利である残業代請求をしましょう。

1、ブラック企業のサービス残業と過労死ライン

ブラック企業のサービス残業と過労死ライン

ブラック企業でありがちなのが、「残業代が出ないことが当たり前」と思わされることです。
「上司も同僚も残業代はもらえていないから、自分ももらえないのは当たり前」、そう思っていませんか?
人間は集団の生き物ですので、周囲がそういう状況であれば、それが当たり前であり、しかたないと思ってしまう方も多いでしょう。

しかし、よく考えてみてください。サービス残業をしているということは、ただ働きをしているのと同じことです。サービス残業は、決して当たり前ですまされる事ではありません。
残業代を出さないことは労働基準法に違反しており、場合によっては刑事罰の対象にもなります。
もし、あなたがサービス残業をしているのであれば、「会社の違法行為による被害者」です。


しかし、ブラック企業で働いている人の中には感覚が麻痺し、ブラック企業で働いているという自覚がない人も多いものです。

そこで1つの基準として、自身の残業時間が「過労死ライン」を越えていないかチェックしてください。

過労死ラインとは?
過労死ラインとは、健康障害リスクが高まるとする時間外労働時間を指します。
「発症前2か月間ないし、6か月間に渡り、1か月当たり約80時間を超える時間外労働」が続くと、健康障害と長時間労働の因果関係が認められやすいとされています。
(あくまで目安となる基準であり、絶対に80時間以上でないと因果関係が認められないというわけではありません。)


もしも、自身の残業時間が月80時間を越えるような場合には、特に注意が必要です。
健康を害する前に、早急に残業代を請求し、労働環境を是正することが望ましいでしょう。
もちろん80時間を越えていない場合でも、残業代を請求する権利は当然にあります。

2、残業とは、法定労働時間を超えた労働のこと

残業とは、法定労働時間を超えた労働のこと

残業代を請求する前に、まず「残業の定義」について知っておきましょう。
会社と労働者では、労働者の立場の方が弱い場合がほとんどです。
そのために、弱い立場の労働者を守る「労働基準法」という法律があります。
その労働基準法の中で、労働時間の上限を定めた規定があります。

    第三十二条
  • 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない
  • 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない


上記のように労働基準法三十二条では、会社は原則として1日8時間 / 1週間に40時間を超えて働かせてはならないと定められています(法定労働時間)。
基本的に、ブラック企業で問題となっている残業は、この法定労働時間を超えた労働であることがほとんどです。

3、残業するには三十六(サブロク)協定が必要

残業するには三十六(サブロク)協定が必要

では、世間で行われている残業は、全て違法なのかというと、そうではありません。
会社と労働者との間で労働基準法三十六条に定められた協定を結べば、これを超えて働かせることが可能だからです(通称、サブロク協定と呼ばれます)。
この三十六協定が結ばれていれば、以下の時間を上限とし、残業が認められます。

  • 1週間 15時間まで
  • 2週間 27時間まで
  • 1か月 45時間まで
  • 2ヶ月 81時間まで
  • 1年 360時間まで


さらに特別の事情がある場合は、特別条項を定めれば1年間で6ヵ月を超えない期間については、上限なしに残業が可能となります。(※残業時間は労使間の協議によります)

法定労働時間を超えての残業ができるのは、三十六協定や特別条項を定めることが必要となります。

「残業が多いな…」と思ったら、三十六協定や特別条項の定めがあるかを会社に確認しましょう。
もし、協定の定めなしに法定時間外残業をしていた場合、労働基準法違反ですので、会社に残業代を請求する権利があります。

4、残業には「法定時間外」と「法定時間内」がある

残業には「法定時間外」と「法定時間内」がある

次に、残業の種類について知っておきましょう。 残業は以下の「法定時間内」「法定時間外」の2つに分けられます。

  1. (1)「法定時間内残業」

    上記に記載したとおり、労働基準法32条では、会社は原則として1日8時間 / 1週間に40時間を超えて働かせてはならないと定められています。 この枠内で残業をしたのであれば法定時間内残業にあたり、働いた分の残業代がもらえます。

  2. (2)「法定時間外残業」

    法定時間内の枠を超えて働かせた場合には「法定時間外残業」となり、会社は残業代を支払わなければなりません。「法定時間内残業」と違う点は、25%の割増賃金が発生することです。
    例えば、1時間1000円で働いているのであれば、1250円の残業代がもらえることになります。
    一般的に「残業代」と呼ばれているのは、「法定労働時間」を超えて労働した場合に発生する、割増賃金のこと指します。

  3. (3)「深夜割増・法定休日割増」

    さらに、22時以降に働いたのであれば50%、法定休日に働いたのであれば35%、法定休日かつ深夜の労働であれば60%の割増賃金がもらえます。
    法定時間・深夜・休日に働いたら、割増賃金が発生することは覚えておきましょう。

5、残業代請求をするには証拠が必要

残業代請求をするには証拠が必要

残業代請求をするには、何よりも証拠が重要なポイントです。

証拠を揃えずに、会社に残業代請求をしたとしても「残業の事実はない」などと反論されてしまったら、「残業した」「残業してない」の水掛け論になってしまいます。
そこで、「間違いなく残業をしていた」という証拠が必要となります。

以下に証拠になりえるものを挙げてみました。
日頃から可能な限り集めておくことをお勧めします。

  1. (1)就業規則

    就業規則には、就業時間や休日・残業に関する取り決めなどが記載されているので、残業代請求するにあたっては重要な資料となります。
    就業規則は、労働者が10人以上いるような職場では、作成と周知が義務となっていますので、比較的大きな会社であれば基本的に閲覧ができます。
    原本は会社にあると思いますので、コピーで構いません。
    そもそも就業規則がない会社の場合は、(2)を確認してみましょう。

  2. (2)雇用条件の書面

    会社は労働者を雇用する時には、雇用条件を書面で通知しなければならないとされていますので、この書面は通常であれば手元にあるはずです(労働基準法15条・施行規則第5条3項)。
    この書面(雇用条件通知書等)には、始業及び終業の時刻・所定労働時間を超える労働の有無・休憩時間・休日など、残業代請求をするための必要情報が記載されているので、しっかりと保管をしましょう。

  3. (3)タイムカード

    労働時間を管理するものです。タイムカードの他にも勤怠表・日報等もそれにあたります。
    始業終業の時刻が分からないと、残業代請求が難しくなります。 会社によっては、タイムカード等がない場合があります。 特にブラック企業では勤務時間を把握していないケースも多々ありますので、その場合は他の証拠で補強しましょう。

  4. (4)日記

    仕事に関する日記も有力な証拠となります。
    出退勤の時刻や業務内容など、事細かく書くほど証拠力は上がります。
    ただし、日付が飛び飛びで書いてあったり、あとで書き足したりした日記は、信憑性がなくなり証拠としての力は乏しくなります。日記をつける場合は、その都度こまめに書くようにしましょう。
    パソコンやスマートフォンで日記をつける方も最近は多く見られますが、デジタルデータは後で内容を書き加えたり、改ざんする事ができるため、証拠として認められにくい場合があります。
    残業記録の日記をつける場合は、内容を変更できないボールペンなどで手書きする方が望ましいでしょう。

  5. (5)メールの送受信記録

    会社のメールアカウントであれば、送受信した時刻で仕事をしていたことを立証できます。
    個人のアカウントであっても、退社時に自分のメールに送信することで、残業の証拠とすることができます。会社のメールアカウントではなく、個人アカウントで送ったメールは証拠としては認められない事が多いですが、家族・知人等に残業の事実を相談していた様な場合は、内容によっては証拠と認められるケースもあります。

  6. (6)残業の指示書など

    書面でもメールでも構いませんが、上司から残業指示をされていたり、残業を認めていることが窺える資料があれば証拠となります。
    持っていれば捨てずに保管しておきましょう。

6、残業代を証明する証拠は会社にあることも

残業代を証明する証拠は会社にあることも

基本的には、証拠は残業代請求をする側が集めなければなりませんが、もしも上記の証拠がない場合でも諦めないでください。

労働基準法第109条には、「労働時間の記録などを3年間保存しなければならない」という規定があります。
これにより、会社は労働時間の記録を保存しているはずですから、労働時間に関する資料の提供を要求できます。この要求は、正当な理由がない限り拒めないので、会社から残業代請求の資料を取り寄せることも可能です。

ですが、会社が素直に記録を出してくれるか分かりませんし、特にブラック企業の場合は、そもそも従業員の残業の事実を隠滅するために、労働時間の記録を保管していないケースもありえます。
保存していなかったからと言って、残業代が認められるということはありません。
やはり、残業の証拠は日頃から自身でしっかり収集しておくに越したことはありません。
しかし、これらの証拠を揃えるためには、個人では手間も時間もかかりますし、難しい場合もあるでしょう。

そのような場合は、弁護士に残業代の証拠収集について相談することをお勧めします。
弁護士が、お客様の労働状況にあわせて適切な証拠の集め方をアドバイスし、証拠収集の段階から弁護士の名前で請求するため、最短の時間で残業代の証拠を揃える事ができる上、収集の負担を最小限に軽減できるというメリットがあります。

7、残業代請求する方法

残業代請求する方法

残業代を請求するには、以下の方法があります。

  1. (1)自分自身で会社に請求

    自身で会社に残業を請求し、会社が残業代を支払ってくれるのであればそれが最善です。
    しかし、多くのブラック企業は「残業代を払ってほしい」という従業員からの訴えは相手にしないことも多く、訴えたとしても無視されてしまったり、残業の証拠開示にすら応じないケースがほとんどです。
    中には請求したことで上司や社長との関係が悪化してしまい、不利な労働条件を突きつけられ、不当な人事異動や解雇に追い込んでくる悪質な会社も存在します。
    ブラック企業に対して勇気をだして自身で請求するのも1つの方法ですが、実際に素直に支払ってくれる可能性は低いでしょう。

  2. (2)労働基準監督署に申告

    会社に請求しても応じてくれないこともあります。
    特にブラック企業であれば、本人が言っても聞く耳を持たないことも多いでしょう。
    その場合は、労働基準監督署に申告をしましょう。
    労働基準監督署は、労働法の番人と言われていて労働者の権利を守ってくれます。残業の証拠を揃えて、労働基準監督署へ相談に行けば会社に勧告をしてくれることがあります。
    労働基準監督署は、場合によっては送検できるなど強い権限をもっています。
    労働基準監督署に和解のあっせんをしてもらい、使用者と話合いをすることも可能です。

  3. (3)労働審判で請求

    労働審判とは、労働者と使用者の紛争の解決を目的とした手続きであり、通常訴訟と違って、安価な費用でスピーディーに解決が図れる制度です。
    労働法に詳しい裁判官1人と労働関係に詳しい民間人2名で審理されます。

    審判に強制力ありませんが、3回で終わることを目指している制度であり、解決率は80%程度と非常に高いのも特長です。時間が無い人にもおすすめです。
    双方の意見が一致せず合意ができない場合には、労働審判委員会が判断し審判によって結論を出してくれます。
    ただし、労働審判は審判に双方が納得しない場合には通常訴訟に移行しますので、その点は留意が必要です。

  4. (4)通常訴訟で請求

    時間と手間は掛かりますが、確実に残業代を取り戻すなら、通常訴訟です。
    割増賃金はもちろんとして、遅延損害金(退職前は年6%、退職後は年14.6%)も併せて請求できますので、額が大きければその分メリットも大きいでしょう。

8、愛媛県・松山での残業代請求をお考えの方は弁護士へ

愛媛県・松山での残業代請求をお考えの方は弁護士へ

労働審判も通常訴訟も本人だけでできますが、法的な知識に乏しい労働者が、適切に証拠を揃え有利に残業代請求を進める事は、ハードルが高いものです。
特にブラック企業であれば、話し合いに応じてくれず泣き寝入りするしかない状況に追い込まれたり、話がもつれやすかったりしますので、自身で請求するのは精神的にも大きな負担がかかるでしょう。

そんな時は、全ての手続き・交渉をしてくれる弁護士という選択肢が最良です。
愛媛県・松山で残業代にお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 松山支店の弁護士にご相談ください。お客様にとって最大限に有利な条件で残業代を請求いたします。

ご自身にかかる手間は、基本的には弁護士にご相談いただくことだけ。
弁護士が証拠収集・会社との交渉・労働審判や訴訟に至った場合の手続き等を全て行いますので、煩わしい手続き等の負担はほぼなく、上司や社長等に対面せずに残業代を請求できるため、精神的な負担も軽く済みます。


今後の生活を考えると言いづらいなどの事情はあるかと思いますが、残業代はあなたが頑張って働いた正当な労働の対価なのですから、なにも遠慮をすることはありません。
松山支店の弁護士が、お客様と一緒にブラック企業と戦います。
ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

0120-353-048

平日9:30〜21:00/土日祝9:30〜18:00

メールでのお問い合わせ
24時間・365日受付

お気軽にお問い合わせください ご相談の予約はこちら

松山オフィスの主なご相談エリア

松山市内
および愛媛県内全域
・東予地域:今治市、新居浜市、西条市、四国中央市、上島町
・中予地域:伊予市、東温市、久万高原町、松前町、砥部町
・南予地域:宇和島市、八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町
四国地方高知県や近隣地域にお住まいの方

ページ
トップへ