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悪いうわさを流され解雇された! これって不当解雇?

2022年03月28日
  • 不当解雇・退職勧奨
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悪いうわさを流され解雇された! これって不当解雇?

愛媛労働局が公表している「令和2年度個別労働紛争解決制度の運用状況」によると、解雇に関する相談が403件であり、全体の1割を占めていることがわかります。前年度の相談件数(326件)と比較すると増加しており、新型コロナウイルスの影響が大きかったことが伺えます。

労働者は、仕事をして収入を得ることによって生活をしていますので、解雇された場合の不利益は非常に大きなものとなるでしょう。そのため、労働者を保護する観点から、会社が有効に解雇を行うことができる場合については、法律上厳格な要件が設けられて規制がなされています。事実でないにもかかわらず悪いうわさを流されて解雇されたという場合には、不当解雇として争うことが可能です。

今回は、うわさ話を理由とする解雇を争う方法について、ベリーベスト法律事務所 松山オフィスの弁護士が解説します。

1、うわさでの解雇は不当解雇である

労働者を解雇する場合には、一定の要件を満たさなければ不当解雇として無効になります。以下では、解雇の種類とうわさでの解雇の有効性について説明します。

  1. (1)解雇は概ね3種類

    解雇には、分類については諸説ありますが概ね以下の3種類が存在しており、それぞれの種類に応じて解雇の要件が異なってきます。

    ① 普通解雇
    普通解雇とは、懲戒解雇や整理解雇以外の解雇のことをいい、労働者側に労働契約を継続していくことが困難となる事情があった場合に、使用者から一方的に労働契約を終了させることをいいます。一般的には、労働者の勤務態度や成績が悪く、改善の見込みのない場合や病気や怪我などの健康上の理由で仕事ができないような場合に普通解雇が行われます。

    解雇は、使用者からの一方的な意思表示によって労働契約を終了させるものですので、退職について労働者に諾否の自由が委ねられているものは退職であり、ここでいう解雇には当たりません。

    普通解雇の要件は、労働契約法16条で以下のように定められています。

    • 解雇に客観的に合理的な理由があること
    • 解雇が社会通念上相当であること


    これらの要件を満たさない解雇は、不当解雇として無効となります。

    ② 懲戒解雇
    懲戒解雇とは、使用者が労働者に対して行う懲戒処分のうち最も重い処分であり、労働者が企業秩序を乱す行為をした場合等懲戒事由に該当した際に、使用者が一方的に労働契約を終了させることをいいます。懲戒解雇となる代表的な例としては、経理担当の社員が経費を流用・横領していたケース、殺人や強姦などの重大犯罪を行ったケース、学歴や資格などの経歴の詐称があったようなケース等が挙げられます。

    懲戒解雇を行うためには、懲戒解雇の事由が就業規則に明記されているとともに、労働契約法16条の普通解雇の要件とともに、労働契約法15条の要件を満たすことが必要となります。

    ③ 整理解雇
    整理解雇とは、経営悪化などを理由として、会社側の一方的な都合により労働契約を終わらせることです。普通解雇と懲戒解雇は、労働者側に何らかの理由があってなされる解雇でしたが、整理解雇は、会社側の一方的な都合で行うものであり労働者には何の落ち度もないことが多いという特徴があります。そのため、整理解雇は、他の解雇に比べてその要件が厳格なものになっており、以下の要件を満たす必要があります。

    • 人員削減の必要性
    • 解雇回避努力
    • 人選の合理性
    • 手続きの妥当性
  2. (2)うわさでの解雇はこれに当たらない

    「あの人は会社の経費を流用している」、「仕事をさぼってパチンコに行っている」などの悪いうわさを流されることがあります。根も葉もないうわさ話であるにもかかわらず、それを理由としてされた解雇は有効なのでしょうか。

    このような悪いうわさを理由にした解雇としては、普通解雇または懲戒解雇が選択されることになります。しかし、既に説明したとおり、解雇は労働者に対して重大な不利益を与える処分であることから、厳格な要件が定められています。単なるうわさ話であり、それを裏付ける根拠がない場合には、解雇をする客観的合理的な理由がないといえますので、うわさ話を理由にした解雇は、不当解雇となる可能性が高いです。

2、不当解雇だと思ったらやるべきこと

会社から解雇を言い渡されたとしても納得がいかない場合には、不当解雇の可能性があります。不当解雇を疑った場合には、以下のような行動をしましょう。

  1. (1)解雇の撤回を求める

    解雇に納得ができない場合には、会社に対して「解雇には納得できません」とはっきり伝えることが大切です。そのうえで、解雇には客観的合理的な理由がないことを伝えて解雇の撤回を求めるようにしましょう

    このような態度を示すことは、今後、不当解雇を争う上でも重要となります。きちんと争う態度を示していなければ、解雇に納得したと捉えられてしまう可能性もありますし、解雇が無効となった場合に、就労の意思を示しておかなければその間の賃金を請求することができなくなってしまう可能性があるからです。

    口頭での撤回の申し出では言った言わないの争いになることがありますので、できる限り書面によって行うようにしましょう。

  2. (2)解雇理由証明書の請求

    解雇理由証明書とは、使用者が労働者を解雇した理由について記載された書面です。解雇理由証明書を取得することによって、どのような理由で解雇がなされたのかを知ることができますので、不当解雇を争うための重要な証拠となります。解雇後すぐに解雇理由証明書を請求することによって、後日別の理由を追加するなどして言い逃れをできなくするという効果もあります

    労働基準法22条2項では、労働者から解雇理由証明書の請求があった場合には、遅滞なく使用者は交付しなければならない、とされています。会社は労働者から請求された場合には、それを拒むことはできませんが、労働者からの請求がなかった場合には解雇理由証明書を交付する必要はありません。そのため、解雇時には、必ず請求するようにしましょう。

  3. (3)退職届は絶対に出さない

    解雇をするには厳格な要件を満たさなければならず、要件を満たさない解雇は不当解雇となってしまいます。そのため、使用者は、解雇の要件を満たすかどうかが微妙な事案については、労働者に対して退職を促して、解雇ではなく労働者の意思に基づく退職という形で処理しようとすることがあります。

    会社から退職届の提出を求められたとしても、退職届の提出を求められた理由に納得ができない場合には、絶対に退職届を提出してはいけません。退職届を提出してしまうと自主退職として扱われますので、不当解雇として争うことができなくなってしまう可能性が高いです。

3、会社との話し合いが不調に終わったら、労働審判・裁判

解雇の撤回を求める場合には、まずは会社との話し合いによって行います。直接または労働基準局を通しての話し合いで解決することができない場合には、以下のように労働審判または裁判によって解決を図ります。

  1. (1)労働審判

    労働審判とは、解雇や給料の不払いといった労働者と使用者との間の労働トラブルについて解決するための裁判所の手続きです。労働審判手続きは、労働審判官(裁判官)1人と労働審判員2人で構成される労働審判委員会が行います。

    労働審判員には、労働関係に関する専門的な知識や経験を有する方の中から選ばれますが、中立かつ公正な立場で審判手続きに関与するために、労働者と使用者の各立場で労働紛争の処理に携わった経験のある方から選ばれることになります。

    労働審判の特徴としては、裁判手続きに比べて迅速な解決が期待できるという点です。労働審判は、原則として3回以内の審理で終えることになっていますので、多くの事件が申立てから3か月以内に終了することになります。また、労働審判の手続きにおいては、調停による話し合いによる解決が試みられ、それが難しい場合に審判で判断を行います。そのため、裁判手続きに比べて柔軟な解決が可能であるという特徴もあります。

    労働審判に対して不服がある場合には、2週間以内に異議申し立てを行うことによって、審判は効力を失い、訴訟手続きに移行します。

  2. (2)裁判

    労働問題に関する争いについては、必ず労働審判の手続きを経なければならないというものではありませんので、いきなり訴訟を提起することもできます。また、上記のとおり、労働審判に不服がある場合にも訴訟手続きに移行することになります。

    不当解雇を争う訴訟では、解雇された労働者が原告となり、会社を被告として訴えを提起し、労働契約上の地位の確認や未払い賃金の支払いを求めていきます。訴訟手続きは、原告と被告の双方から主張・立証が行われて、最終的に裁判官が原告の請求内容を認めるかどうかを判断することになります。

    裁判になると事案によっては解決までに1年以上の期間を要することもあります

4、弁護士に不当解雇を相談するべき理由

不当解雇を争う場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)会社との話し合いを任せることができる

    不当解雇を争う場合には、まずは、会社と話し合いを行わなければなりません。しかし、会社側としては、自ら行った解雇処分が正しいと思っていますので、労働者の側から撤回を求めたとしても容易には応じてもらえません。

    弁護士であれば、解雇が無効であるということを客観的な根拠に基づいて主張することができますので、弁護士が代理人として交渉をすることによって話し合いによる解決も期待できます。会社側と直接交渉をしなければならなくなると労働者本人にかかる精神的な負担は相当大きなものとなりますが、弁護士が代わりに交渉してくれることによってその負担は大幅に軽減されます。

  2. (2)専門的な労働審判や裁判にも適切に対応してもらえる

    会社との話し合いで解決することができなかった場合には、労働審判や裁判といった専門的な手続きによって解決を図る必要があります。

    多くの労働者の方は、そのような手続きを行ったことがありませんので、どのように進めていったらよいのかわからず、適切なタイミングを逃してしまう可能性もあります。

    弁護士であれば、話し合いでの解決が困難だと判断した場合には、迅速に労働審判や裁判に切り替えて適切な申立てを行うことができます。労働問題の経験豊富な弁護士であれば、労働審判や裁判において適切な主張立証を行い、労働者の権利や利益を守ることができます。

5、まとめ

悪いうわさを広められてことが原因となって会社から解雇を言い渡されたとしても諦めてはいけません。解雇をするには、厳格な要件を満たす必要がありますので、根拠のないうわさ話に基づく解雇であれば不当解雇として十分に争う余地があります。

不当解雇でお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 松山オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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