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クラウドファンディングで詐欺にあった場合の、お金の取り戻し方とは

2022年02月21日
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クラウドファンディングで詐欺にあった場合の、お金の取り戻し方とは

松山市では、国の重要文化財である道後温泉本館の保存修理工事を平成31年1月15日から実施していますが、その費用の一部をクラウドファンディングによって募っています。また、愛媛県でも、クラウドファンディングを活用して創業や新商品開発などに取り組む場合に、仲介業者に支払う手数料の一部を補助する事業を行っています。

新規事業を行う場合には、これまでは金融機関などから資金調達を得て行うのが一般的でしたが、インターネットを介して不特定多数の人から少額の資金を調達するクラウドファンディングという手法が新しい資金調達手段として近年注目されています。しかし、このクラウドファンディングという手法を用いて詐欺が行われることもありますので、クラウドファンディングに出資する場合には、十分に注意が必要でしょう。

今回は、クラウドファンディング詐欺にあってしまった場合の解決方法などについて、ベリーベスト法律事務所 松山オフィスの弁護士が解説します。

1、クラウドファンディング詐欺にあっても、原則仲介業者は解決してくれない

クラウドファンディング詐欺とはどのようなものなのでしょうか。以下ではクラウドファンディングの仕組みと、よくある詐欺の手口について説明します。

  1. (1)クラウドファンディングとは

    クラウドファンディング(クラファン)とは、クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)を組み合わせた造語で、インターネットを介して不特定多数の支援者から少額ずつの資金を調達することを意味します。クラウドファンディングでは、集めたお金を返済する必要はなく、集めた支援金によって開発した商品やサービスなどを出資者に還元をします。

    従来の手段では資金調達が難しかった企業や事業者の方でも簡単に資金調達を行うことができるというメリットがあるため、新しい資金調達手段として近年注目されています。

  2. (2)クラウドファンディングの種類

    クラウドファンディングは、資金調達の方法に応じて以下のような種類に分けられます。

    ① 投資型クラウドファンディング
    投資型とは、起案者が出資者から資金調達をして、創業や商品開発などを行い、出資者が売り上げなどの成果に応じて事業収益の配当を受けることができるという仕組みです。

    ② 寄付型クラウドファンディング
    寄付型とは、起案者が出資者から資金調達をして、創業や商品開発などを行うものの、事業の成功に関わらず、出資者には金銭的なリターンがなされないという仕組みです。

    ③ 購入型クラウドファンディング
    購入型とは、起案者が出資者から資金調達をして、創業や商品開発などを行い、そのリターンとして出資者が起案者から商品やサービスを受けることができるという仕組みです。
  3. (3)クラウドファンディング詐欺の手口

    投資型または購入型においては、起案者が資金調達のリターンとして約束していた金銭や商品・サービスを提供することなく、プロジェクトを中止して、資金を持ち逃げしてしまうという手口があります。

    また、寄付型においては、災害の復興や発展途上国の支援をうたって資金調達をしたにもかかわらず、それ以外の使途に資金を利用するという手口があります。

    クラウドファンディングでは、起案者と出資者が直接金銭や商品・サービスのやり取りをするのではなく、仲介会社が間に入ってやり取りをすることになります。仲介会社は、プロジェクトの審査を厳格に行うことによって、詐欺の被害を防止するよう努めてはいますが、詐欺が疑われる場合でも仲介会社が全額返金をするという対応はしていません。

    そのため、クラウドファンディング詐欺にあった場合には、出資者が起案者に直接返金を求めなければならないのです。

2、クラウドファンディング詐欺を自分で解決する方法

クラウドファンディング詐欺を自力で解決しようとする場合には、以下のような方法をとるようにしましょう。

  1. (1)起案者に連絡

    クラウドファンディング詐欺にあってしまった場合には、まずは、プロジェクトを起案した起案者に直接連絡をして問い合わせてみるようにしましょう。「リターン品が届かないがどうなっているのか」、「届いたリターン品がプロジェクト内容と異なる」などの問い合わせをして、回答を求めるとよいでしょう。起案者とのやり取りは、後日の証拠となりますので、口頭でのやり取りではなく、メールや文書などでやり取りをするようにしましょう。

  2. (2)国民生活センターに相談

    国民生活センターとは、消費者からの相談を受け付けるほか、消費者情報の収集・提供、調査・研究などを行う独立行政法人です。

    国民生活センターでは、消費者ホットラインを設置して、全国どこからでも無料で消費者トラブルに関する相談に無料で対応しています。消費者被害にあったことを相談した場合には、具体的な解決方法をアドバイスしてもらえるほか、対応が必要な事案については、最寄りの消費生活センターを紹介してもらうこともできます。

    国民生活センターでは、後述するようなADRも実施していますので、そのような手段を利用することによって、クラウドファンディング詐欺を解決することもできます。

  3. (3)警察に相談

    クラウドファンディング詐欺に遭った場合には、詐欺罪が成立する可能性がありますので、警察に相談をすることも有効な手段です。クラウドファンディング詐欺は、多数の出資者から金銭の出資を受けているため、多数の被害者が生じる投資詐欺事件と判断されることもあるからです。各地で被害届が提出されているようであれば、警察の捜査により行方不明となっていた出資者を逮捕することができる可能性もあります。

    もっとも、警察は、あくまでも刑事事件として対応をするだけですので、だまされたお金の返金請求をすることはありません。

3、ADRとは

クラウドファンディング詐欺を解決する手段としては、ADRという手続きもあります。以下では、国民生活センターが行っているADRの手続きについて詳しく説明します。

  1. (1)国民生活センターによるADRの概要

    国民生活センターでは、「和解の仲介」または「仲裁」という2種類の手続きによって、消費者と事業者との間の紛争の解決を行っています。

    和解の仲介とは、仲介委員が当事者間の交渉の間に入って、和解を成立を目指す手続きです。和解では、裁判とは異なり、トラブルの実情に応じた柔軟な解決を図ることが可能です。

    仲裁とは、仲裁委員が判断をすることによって、紛争解決を図る手続きです。仲裁判断は、裁判の判決と同様の効力が認められています。仲裁を受ける場合には、あらかじめ仲裁の前に仲裁判断に従うと合意しなければならず、当該紛争については裁判を受けることができなくなります。つまり、仲裁委員の仲裁判断には、不服を申し立てることはできません。

    国民生活センターのADRは、複数回の話し合いを行うこともありますが、長くても4か月以内には終了するよう努めることとされていますので、早期の解決が期待できる手続きです。また、ADRの利用手数料は無料となっていますので、当事者の経済的負担も少なくて済みます。

  2. (2)ADRの利用方法

    国民生活センターのADRを利用するためには、国民生活センター紛争解決委員会に対して、書面でADRの利用申請を行います。申請時には、和解の仲介か仲裁のどちらの手続きを希望するのかを選び、紛争の根拠となる事実や重要消費者紛争の争点などを申請書に記載します。

    ADRの手続きは、面談、電話、書面など当事者の紛争の状況などに応じた方法によって行います。また、ADRは、非公開で行われますので、第三者にトラブルの内容が知られるということはありませんのでご安心ください。

4、クラウドファンディング詐欺は弁護士に相談を

クラウドファンディング詐欺に遭った場合には、弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)適切な解決方法をアドバイスしてもらえる

    クラウドファンディング詐欺は、比較的新しい手口の詐欺です。そのため、クラウドファンディング詐欺によって奪われたお金の返還を求めるためには、クラウドファンディングの仕組みを理解した上で、適切な対応をとることが必要です。

    初動を誤ってしまうと、詐欺を行った相手に逃げられてしまい、返金が不可能になってしまう可能性もありますので、クラウドファンディング詐欺にあってしまった場合には、早めに弁護士に相談しましょう。早期に弁護士に相談をすることにより、被害回復に向けた適切な解決方法をアドバイスしてもらうことができます。

  2. (2)起案者との返金交渉を任せることができる

    クラウドファンディング詐欺にあってしまった場合には、起案者に対して返金を求めていくのが基本的な対応となるでしょう。しかし、詐欺を行う事業者と被害者では、交渉力の面で圧倒的に被害者が不利な立場にあります。そのため、被害者の方が個人で返金交渉を行っても、事業者からうまく言いくるめられてしまって返金をしてもらうことが難しいことが多いといえます。

    弁護士であれば、交渉の専門家ですので、当該クラウドファンディングが詐欺に該当することを法的観点から強く伝えることができ、早期の被害回復を図ることができる可能性が高まります

  3. (3)法的手続きによって返金を求めることができる

    詐欺を行った業者との交渉によって解決することができない場合には、最終的に裁判などの法的手続きによって解決を図ることになるでしょう。裁判手続きは、非常に専門的な手続きですので、詐欺被害を立証していくためには、法律の知識や経験が必要不可欠です。

    弁護士であれば、交渉によって解決することが困難な事案に関しては、早期に訴訟提起をするなどして、迅速な被害回復を実現することができるよう、サポートをすることができます。

5、まとめ

クラウドファンディング詐欺にあってしまったかもしれないという場合には、迅速に対応をすることによって、奪われてしまったお金が戻ってくる可能性が高くなります。そのため、ひとりで悩んで時間ばかり経過してしまう前に、弁護士に相談をすることをおすすめします。

クラウドファンディング詐欺による返金交渉に関しては、ベリーベスト法律事務所 松山オフィスまでお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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