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離婚が決まった! 年収700万円の夫に請求できる養育費の相場は?

2021年09月09日
  • 離婚
  • 養育費
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  • 松山
離婚が決まった! 年収700万円の夫に請求できる養育費の相場は?

松山市が公開している人口動態によると、平成26年から平成30年の松山市内での離婚件数は、おおよそ900~1000件前後で推移しています。松山市内だけでも、毎日数件は離婚が成立している計算となります。

さて、子どもがいる家庭で、いざ離婚するとなった場合、気になるのはやはり養育費ではないでしょうか。実際のところ、養育費の額は元配偶者と自身の年収により大きく変わります。

では、離婚する夫の年収が700万円で、妻の年収がなく、子どもはひとりの場合、どれぐらいの養育費を請求できるのかをご存じでしょうか。今回は、養育費の計算の仕方や相場、そして確実に養育費を受け取るための方法を、弁護士が説明します。

1、養育費の決め方と金額の相場

養育費とは、成人していない子ども(「未成熟子」と呼ばれます)が社会人として自活するまでに必要となる費用のことをいいます。離婚に際し、子どもを引き取って養育することになった親(親権者)から、親権を手がなした側の親(義務者)に対して請求できるものです。

ただし、養育費は親権者のために支払われるお金ではありません。子どもが、どちらの親の生活環境と同等な健康活文化的な生活を送るために支払われるお金である点を忘れないようにしましょう。

では、養育費とは、どのように決まるのでしょうか。

  1. (1)養育費の金額を決める要素

    養育費の金額は、両親の間で合意があるならば、どのような金額であっても問題はありません。たとえば両親が幼稚園から大学に至るまで私立学校で育ち、子どもも同じ環境を望むのであれば、いわゆる「一般的な相場」からはかけ離れた額になることもあるでしょう。

    しかし、調停や審判を通じて養育費を定める場合は、裁判所が公表している算定表にしたがった判断がなされることが通常です。この養育費算定表は、平成15年に東京と大阪の裁判官らの研究会が発表したものです。夫婦の収入と子どもの年齢や人数ごとに、子どもと離れて暮らす親が支払うべき養育費の目安を表で示したもので、素早い紛争解決につながるとして、裁判の現場に広く定着しています。

    したがって、養育費の金額を決める際は、この算定表を使うにあたり必要となる以下の4項目がもっとも大きな要素となります。

    ●義務者(支払う側)の年収
    ●権利者(子どもを引き取り育てる側)の年収
    夫婦とも、給与所得者であれば基本的には,源泉徴収票の記載額される額が基となります。自営の場合は、確定申告書の課税所得によることが多いです。
    ●子どもの人数
    子どもの人数が多いほど養育費は上がります。
    ●子どもの年齢
    養育費算定表では、子どもが14歳以下の場合と15歳以上の場合で養育費が異なります。15歳以上は成長に伴い子に充てられるべき生活費の割合が大きくなると考えられています。

  2. (2)算定表以外に考慮される要素

    たとえ同じ所得であろうと、各家庭によって、状況は異なるものです。そこで、次のような状況が算定表外に考慮されることがあります。

    ●生活保持義務
    たとえ離婚したとしても、子どもの親には、子どもには自己と同程度の生活をさせる「生活保持義務」があります。したがって、一般的には生活保持義務を守るため、子どもが20歳になるまで養育費を払うケースが多いようです。ただし、20歳よりも前に子どもが就職するなどで自立している場合、生活保持義務が既にないと判断されて、養育費が相場から減額または0になる可能性もあります。

    ●進学による支払額の加算と支払期間の延長
    現在は大学への進学が一般的となっており、養育費は大学卒業の22歳まで払うケースが多くなってきています。養育費を決める時点で、大学または大学院への進学を考えているようであれば、それらの卒業の年齢まで養育費を払うと取り決めに含めることも視野にいれます。

    また、養育費算定表は私立大学への進学資金までは加味していません。前述のとおり、より学費のかかる私立大学へ進学する場合は、それ相応の養育費額となるよう加算できる可能性があるでしょう。

    ●その他の特別な事情
    障がいや持病などで、子どもが成人となった以降も自活できない可能性がある場合は、長期間の養育費支払いが検討されます。

  3. (3)年収700万の場合の養育費の相場

    では、夫の年収が700万円(給与所得者)、妻が専業主婦で収入がないという仮定で、東京家庭裁判所の公開している「養育費算定表」で実際の養育費相場を算出してみましょう。
    「養育費算定表」

    今回は夫を義務者とし、妻を権利者とします。

    • 子ども1人(14歳以下)の場合……養育費相場は6~8万円
    • 子ども1人(15歳以上)の場合……養育費相場は10~12万円
    • 子ども2人(どちらも14歳以下)の場合……養育費相場は10~12万円
    • 子ども2人(どちらも15歳以上)の場合……養育費相場は12~14万円
    • 子ども2人(14歳以下、15歳以上1人ずつ)の場合……養育費相場は12~14万円


    ただし実際は、離婚をすれば妻も働くケースが多いはずです。離婚前に養育費を決めるときは、妻も働いた場合を想定して養育費を算出することが一般的と考えられます。

    養育費算定表をもとに、ベリーベスト法律事務所のサイトにて、養育費の簡易計算ツールを公開しております。相場の参考に、ぜひご活用ください。
    「養育費の簡易計算ツール」

2、確実に養育費を受け取るためには

上記の概算をもとに養育費を取り決めたとしても、支払いが滞るケースは残念ながら多々あるようです。確実に養育費を受け取るためには、万が一に備えて、養育費をはじめとした離婚条件の取り決めを記した書面を残しておきましょう。また、可能な限り、「強制執行認諾文言」をいれた、公正証書を作成することをおすすめします。

  1. (1)離婚条件を離婚協議書にまとめる

    協議離婚のときは、離婚するにあたっての各種条件や取り決めを書面化しておきましょう。養育費の額など、合意内容を明確に記した書面を「離婚協議書」と呼びます。書面にしておくことで、離婚後のトラブルを防止することができます。

    どのような内容を決めるべきか不明な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

  2. (2)「離婚協議書」を「公正証書」にする

    「離婚協議書」の内容が合意できたら、これに「強制執行認諾文言」をいれた「公正証書」にします。公正証書とは、法務大臣が任命する公証人(裁判官、検察官、法務局長、弁護士などを長年つとめた人から選ばれる)が作成する公文書です。

    公正証書にすることによって、離婚協議書に法的な拘束力を持たせることができます。さらに「強制執行認諾文言」をいれた公正証書にすることで、万が一養育費を支払ってくれなくなったとき、相手に対して裁判を経ることなく、直ちに強制執行の手続きを行えます。

    強制執行とは、約束していた養育費などの支払いが滞ったとき、相手の預貯金や生命保険、給料等を差し押さえることができる制度です。給料を一度差し押さえたら、相手が仕事を辞めない限り、毎月支払いを受け続けることができますし、ボーナスも差し押さえ対象となるのでとても効果的です。

    さらに、公正証書の原本は、公証役場に保存されます。つまり、紛失・偽造・変造などの心配がありません。しかし、離婚後に養育費の金額を決め直したときは、公正証書も作り直すことをおすすめします。

    なお、調停離婚や裁判離婚となったときは、公正証書を作成しなくても、調停調書や決定判決書など公的な拘束力のある書面が、裁判所より発行されます。

  3. (3)定期的な面会交流の継続

    DVなど身の危険が及ぶケースを除き、義務者と子どもの面会交流は、子どものためにも定期的に続けたほうがよいでしょう。なによりも、子ども自身に、「親同士は離婚したけれども、あなたのことは愛している」ということを直接伝えることができるというメリットがあります。

    他方、養育費を支払う側が面会交流によって子どもが成長していくさまを実感することは、養育費支払いのモチベーションとなるといわれています。また、進学などによって養育費の変更を求める場合も、継続的な交流があれば状況が伝わりやすく、交渉しやすくなるでしょう。

3、養育費の交渉を弁護士に依頼するメリット

婚姻関係の解消は、離婚届ひとつで完結しますが、養育費の支払いは、子どもの成人まで長期間にわたるものです。相手方と顔を合わせたくない、早く縁を切りたいと拙速に離婚に合意してしまうと、自分と子どもにとって望ましくない結果となってしまうこともあります。

感情面でこじれている離婚であればなおさら、弁護士に依頼するメリットは多いと考えられるでしょう。

  1. (1)相手と直接交渉しなくてよい

    離婚協議書は、当事者自身で作成することもできますが、離婚当事者間では交渉で感情的になることも多々あり、非常に精神的負担の大きい作業です。

    特に、モラハラやDVを受けていたなどの事情がある場合は、対等な交渉をすることは極めて困難です。弁護士に交渉を依頼することで、自分の心身の安全を確保しつつ、養育費や慰謝料について自分の主張を十分に伝え、迅速に取りまとめてもらうことができるでしょう。

  2. (2)よりよい条件で合意できる可能性が高まる

    前述の算定表を用いた算定方式では、夫婦それぞれ、総収入から税金や経費を差し引いた金額を「基礎収入」として養育費を算出します。相手が金額に難色を示す場合も、弁護士であれば正当な理由のない減額は阻止することができるでしょう。また、基礎収入は総収入の4割程度となるため、「養育費が低すぎる」「税率改正や物価変動を反映していない」という指摘もあります。

    これに対し、日本弁護士連合会が平成28年11月に発表したのが「新算定方式」です。
    総収入から差し引く経費に住居費や保険料を含めないことで、基礎収入が総収入の6~7割程度となり、算出される養育費が簡易算定方式の約1.5倍となります。弁護士に依頼することで、状況に応じて、新算定方式を主張することも可能です。

  3. (3)公正証書作成に関するアドバイスを受けられる

    離婚協議書を公正証書にする手続きには、平日に、双方が公証役場に何回か足を運ぶ必要があります。弁護士であれば、代理人として手続きを行うことが可能ですので、仕事で忙しく時間がとれない場合や、相手と顔を合わせたくない場合でも迅速に適切な公正証書の作成を行えます。

  4. (4)履行勧告・強制執行もサポート可能

    万が一、養育費の支払いが滞った場合には、公正証書の内容にしたがって履行勧告や強制執行の手続きをとるサポートを依頼できます。

4、まとめ

離婚は、精神的に大きな痛みを伴うケースが多いものです。婚姻を解消することを決めた相手と、さらに金銭を伴う交渉を冷静に行うことは簡単なことではありません。

しかし、子どもが離婚の被害者とならないようにするためにも、養育費の取り決めには、十分な手を尽くす必要があります。協議離婚、調停離婚、家庭裁判所の審判、どの場合であっても、「公正証書」をはじめとした法的拘束力のある書面で、不備のない養育費の取り決めを結ぶことをおすすめします。これは、あなたのためだけではなく子どものためでもあるのです。

もし、法的拘束力を持つ書類の作成が難しい、対応する時間がないと思われるときは、あきらめず、ベリーベスト法律事務所 松山オフィスの弁護士に相談してください。養育費問題に対応した経験が豊富な弁護士が、あなたとあなたの子どもが進む、次のステージが明るいものとなるよう、尽力いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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