不倫の仕返しで浮気!そんな言い分は法的に通用する?弁護士が解説!
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もし、あなたの夫(妻)が不倫や浮気をしていることが発覚したら、とてもショックを受けることでしょう。夫(妻)やその不倫相手・浮気相手のことを腹立たしく思う人もいるかもしれません。
だからといって、腹いせに自分も夫(妻)以外の相手と浮気をすることは許されるものなのでしょうか。
1、「不倫の仕返しで浮気した」は、法的に通用するのか?
夫(妻)に不倫された事実がわかったとき、配偶者の立場からすれば、「とても情けないし、悔しい」という気持ちになるかもしれません。
しかし、だからといって仕返しに自分も浮気することは許されるのでしょうか。
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(1)「不倫の仕返しで浮気した」は通用しない
夫(妻)が不倫したからといって、仕返しのつもりで衝動的に自分も浮気をすることは、法的には好ましくありません。どんなに悔しい思いをしても、きちんと法律に則った方法で問題解決を図ることが必要です。
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(2)自分も浮気すると貞操義務違反に
民法には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という規定があります。また、ここに明記されてはいませんが、一般的に夫婦間の基本的な義務として「貞操義務」もあると解されています。
貞操義務とは、配偶者以外の相手と肉体関係を持たないことです。
そのため、配偶者が不倫をしたからと言って自分も浮気をすると、貞操義務違反となり慰謝料を請求される可能性があります。
2、そもそも配偶者は本当に不倫(浮気)をしていたのか。法的に認められる不倫の証拠とは?
不倫(浮気)を疑う理由に、服装や帰宅時間の変化などがあげられるかと思います。
配偶者の不倫(浮気)が疑われる場合は、まず証拠をつかむことが必要です。
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(1)なぜ配偶者が不倫(浮気)をしたと思ったのか
そもそもの話に戻りますが、配偶者が不倫(浮気)をしたと考えた理由は何でしょうか。
相手の服装がおしゃれになった、自分のいないときにコソコソ出かけている痕跡がある、帰宅が遅くなることが増えた…など、理由はさまざまであると思います。
しかし、おしゃれになったのは、同窓会などに出席しておしゃれな友人たちの姿を見たことがきっかけで、服装に気を遣うようになったのかもしれません。
また、出かけていて帰宅が遅いのは、定期的に習い事やセミナーに通っているから、ということも考えられるでしょう。 -
(2)不倫(浮気)をしたかどうかを突き止めるには証拠が必要
それでもなお、不倫(浮気)が疑われる場合は、確たる証拠をつかむことが必要です。
配偶者のいないときに、配偶者の所有しているスマートフォンやごみ箱に捨てられているレシートなどを調べ、不倫(浮気)をしている痕跡がないかどうか調べてみましょう。 -
(3)不倫(浮気)をした事実を示すための有力な証拠とは
不倫(浮気)をした事実を示す有力な証拠は、以下のようなものがあげられます。
有力な証拠の一例- 2人でラブホテルに出入りする様子を撮影した写真・動画
- 不倫相手の家に複数回にわたり出入りする様子を撮影した写真・動画
(できるだけ宿泊している様子、部屋の電気が長時間消えている様子がわかるものが望ましい) - ラブホテルのレシート
- ラブホテルに行ったことや性行為をしたことを示すメールやLINE
- 不倫(浮気)をしていることをにおわせる手紙・メモ・スケジュール帳 など
これらのものがないかどうか、確認してみましょう。もし証拠が見つからなければ、探偵などを利用して入手するのもひとつの方法です。
3、違法と判断される可能性のある仕返しの方法とは?
先述のとおり、配偶者の不倫(浮気)が発覚したからといって、腹いせに仕返しをすることは法的に認められていません。なぜなら、日本は法治国家であり、法律に基づいてペナルティーを課すことが求められているからです。
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(1)民法には「自力救済禁止の原則」がある
民法には、「自力救済禁止の原則」と呼ばれる原則があります。
相手方の行為によって何らかの被害・損害を受けたとしても、法律の定める手続きによらずに自分の権利を実現してはならないことになっています。
つまり、配偶者に不倫(浮気)されたからと言って、配偶者やその不倫(浮気)相手に暴力をふるったり、執拗に嫌がらせをしたりすることは、法律で禁じられているのです。 -
(2)こんな仕返しの方法はNG
たとえば、以下のような仕返し方法は違法行為であり、刑法上の犯罪になる可能性があり、行ってはならないとされています。
違法行為になる可能性がある場合の一例- 相手方に土下座を強要する(強要罪の可能性)
- 不倫(浮気)相手の家に行き、帰宅を促されても長時間居座り続ける(不退去罪の可能性)
- わざと大きな音をたてて脅す(脅迫罪の可能性)
- 不倫(浮気)相手の会社で不倫(浮気)の事実を暴露する(名誉棄損罪の可能性)
- 不倫(浮気)相手の職場に何度も無言電話や嫌がらせの電話をかける(威力業務妨害罪の可能性) など
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(3)法律に則った手続きをしよう
いくら腹が立ったとはいえ、下手に仕返しをするとやり方によっては犯罪者扱いされ、かえって不利になってしまうことになりかねません。
そのため、内容証明郵便を送って示談交渉をする、裁判所での調停や裁判を利用するなどして、法律に従って補償を求めることが必要です。
4、結局、配偶者の不倫(浮気)の証拠はなかった。請求される慰謝料の相場とは?
配偶者の不倫(浮気)調査をした結果、決定的な証拠が見つからなかった場合、相手方に慰謝料などを請求することはできません。
逆に、こちら側が浮気をしたことによって、相手方から精神的苦痛を受けたことで不法行為に基づく慰謝料が求められる可能性があります。
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(1)不倫(浮気)による慰謝料の相場とは
慰謝料の金額は、個別の事情により大きく左右されるため、法律で一律に決められているわけではありません。
しかし、過去の判例などから、不倫(浮気)による慰謝料はだいたい100万円~300万円が相場であると考えられています。ただし、この金額はあくまで「相場」のため、これより高くなる場合もあれば低くなる場合もあります。 -
(2)慰謝料の金額が高額になるケースとは
慰謝料の金額は、さまざまな要素に左右されますが、おおむね以下のようなケースに当てはまる場合は高額になりやすい傾向があります。
そのため、相場よりも慰謝料の金額が高くなることもありえるでしょう。相場よりも慰謝料が高くなるケースの一例- 不倫(浮気)が発覚したことにより離婚に至った
- 不貞行為が長期間にわたっており、回数も多い
- 請求される側の収入・社会的地位が高い
- 不貞行為により不倫相手が妊娠・出産した
- 請求される側が不貞行為の主導者だった など
5、離婚には同意。でも慰謝料は払いたくない場合に行うべき手続き
相手方には不倫(浮気)をした証拠が見つからなかったけれど、こちらが浮気をした事実を相手方に握られている場合、夫婦関係が悪化して相手方から離婚を突きつけられることがあります。離婚だけでなく、慰謝料まで請求された場合はどう対応すればよいのでしょうか。
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(1)慰謝料を請求されたからといって支払義務があるとは限らない
「相手方から離婚を切り出され、おまけに慰謝料まで請求された」という場合でも、必ずしも慰謝料を支払わなければならないというわけではありません。
慰謝料を請求するのであれば、慰謝料を請求するに足る証拠を提示してもらうことが必要です。 -
(2)自分が浮気をした証拠を相手が持っているか?
慰謝料を請求されたら、自分が浮気をしたことを示す証拠があるのかどうかを相手方に尋ね、証拠を持っているのであれば開示してもらいましょう。
もし、そこで証拠が出てきたら慰謝料請求の交渉に応じることも検討せざるを得ませんが、証拠がないようであれば支払いに応じる必要はなくなるかもしれません。 -
(3)まずは弁護士に相談を
不貞行為によって、配偶者から離婚やそれに伴う慰謝料を請求された場合は、まず弁護士に相談されることをおすすめします。弁護士であれば、状況をよく精査した上で、自分に代わって相手方と慰謝料の減額交渉をしてくれます。
もし、弁護士に依頼することで相手方が不倫(浮気)をした証拠が出てきたら、相手方は有責配偶者となるので、慰謝料の支払いを免れられる可能性も出てくるかもしれません。
6、弁護士に依頼した場合の流れと解決までの期間
離婚手続きの方法には、協議離婚・離婚調停・裁判離婚の3パターンがありますが、弁護士に問題解決を依頼した場合、それぞれどのような流れになるのでしょうか。
また、どれくらいの期間がかかるものなのでしょうか。
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(1)協議離婚
協議離婚とは、夫婦間で話し合って離婚を成立させる方法です。
2人で離婚条件について協議を行い、話がまとまれば合意内容を離婚協議書に書き記して終了となります。
子どもがいない場合や、婚姻期間が短かった場合、お互いが離婚に合意している場合などは、財産分与などの話し合いを含めても2~3ヶ月程度で終結する可能性がありますが、話がなかなかまとまらない場合は半年~1年以上かかることもあります。 -
(2)離婚調停
離婚調停とは、裁判所で調停委員会のもと、離婚に向けて協議を行う方法です。
家庭裁判所に離婚調停の申立てを行い、調停委員会から夫婦それぞれヒアリングを受けると、調停案が示されます。それに夫婦双方とも合意ができれば、調停委員会が合意内容を調停調書にまとめます。調停が調わなければ審判に移行し、裁判所が審判を下すことになります。
離婚調停は裁判所を介する法的手続きになるので、協議離婚よりも時間がかかります。裁判所の発表によると、平成28年の時点では、離婚調停での平均審理期間は調停成立となったもので5.6ヶ月となっており、平成19年時点の4.6ヶ月と比べると若干長期化している傾向にあるようです。
※出典元:裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」pp.105(PDF:1.42MB) -
(3)裁判離婚
裁判離婚とは、調停でも審判でも合意できない場合に裁判で離婚を争うことを言います。
裁判離婚では、夫婦のどちらかが家庭裁判所に訴訟を提起し、法廷に出頭して夫婦双方が言いたいことを主張します。争点が整理されると、証拠調べに進み、最終的に判決が言い渡されます。
ただし、裁判の途中で裁判官から和解が提案され、夫婦双方とも合意ができれば和解成立という形で裁判が終結するケースも少なくありません。
7、配偶者の不倫(浮気)を疑っても仕返しなど考えず、まずは弁護士へご相談を
不倫(浮気)されたほうの立場からすれば、「夫(妻)が不倫(浮気)するなんて」とショックを受けるかもしれません。
しかし、だからといって仕返しをすれば、かえって不利な立場に立たされる可能性もあります。
「配偶者が不倫(浮気)をしているかもしれない」と思ったときは、まずはベリーベスト法律事務所 松山オフィスにご相談ください。当事務所の弁護士が、あなたにとって最適な解決策をご提案します。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています