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背任罪とは? 横領罪との違い・量刑・示談に向けてできること

2020年09月15日
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背任罪とは? 横領罪との違い・量刑・示談に向けてできること

平成30年6月、松山市にある寺の住職が背任罪などに問われ、大阪地裁において懲役6年の有罪判決が言い渡されました。判決によれば、この住職は意図的に虚偽の登記をし、1億5000万円融資をした不動産会社に損害を与えたとのことです。

このように、背任罪は、内容によって懲役刑が科される場合があります。しかし、そもそも、どのようなときに背任罪とみなされるのでしょうか。

この記事では、ベリーベスト法律事務所 松山オフィスの弁護士が、背任罪とみなされやすいポイントを、構成要件を見ながら解説しています。また、混同されがちな横領罪との違いや、背任罪を犯してしまった場合の対応策についてもご紹介しているので、困ったときの一助としてください。

1、背任罪とは

背任罪は、刑法第247条に規定されている犯罪です。

背任とは、他人のためにその事務を処理する者が、自分もしくは第三者の利益を得る目的、または委託者本人に損害を与える目的で、その任務に背くことをいいます。

具体的には、以下の項目が背任罪にあたるかどうかを考える際の焦点となるでしょう。

●主体が他人のためにその事務を処理する者か
背任罪で、最初にポイントとなるのが、主体が他人のためにその事務を処理する者かどうかです。これは財産関係に関わる事務処理をしている者を指しているので、基本的に会社に雇用されている人は当てはまります。

●自分あるいは第三者の利益を得る目的、もしくは本人に損害を与える目的があったか
自分あるいは第三者の利益を得る目的のことを図利(とり)目的、本人に損害を与える目的のことを加害目的といい、これらをあわせて図利加害目的と呼びます。背任罪に問われるかどうかは、当該の行為が、どのような目的で行われたのかも、ポイントとなります。

●その任務に背く行為をしているか
与えられた任務に背く行為を、任務違背行為といいます。たとえば、与えられた予算以上の高額商品を購入する、機密情報を業務以外に利用するなどは、任務違背行為とみなされやすい傾向にあるでしょう。

●委託者に財産上の損害が発生しているか
財産上の損害が発生しているかどうかも、重要なポイントです。損害には積極的損害と消極的損害があり、前者は既存財産の減少、後者はその行為がなければ得られたはずの利益の損失を意味しています。ただ、たとえば財産の減少があったとしても、結果的にこれに対応する反対給付が得られた場合は、財産上の損害はないとみなされることがあります。

もしこのように、委託者に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役、または50万円以下の罰金の刑罰が科されます。

  1. (1)背任罪の具体的な事例

    では、実際にどのような行為が背任罪とみなされたのか、具体的な事例を見ていきましょう。

    ●裁判例1:虚偽の登記によって不動産会社に損害を与えた事例
    冒頭で紹介した、松山市にある寺の住職が、虚偽の登記をして不動産会社に損害を与えた背任事例です。担保としていた寺の所有権が不動産会社に移るのを防ぐために、所有権を別の寺に移す虚偽の登記を実行し、不動産会社に損害を与えました。裁判では、ほかに詐欺行為もしていたことから、懲役6年の判決が言い渡されています。

    ●裁判例2:代表取締役と他社の従業員が共謀して起こした事例
    ある会社の代表取締役と、取引先の従業員が共謀して起こした背任事件です。代表取締役が多額の架空請求を繰り返し、取引先の従業員が指定の口座に振り込むという手口で、450万円以上の損害を取引先に与えました。裁判の結果、代表取締役には懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。

    ●裁判例3:漁業協同組合連合の稚アユを横流しした事例
    ある場長が、地元の漁業協同組合連合会が運営する種苗場の稚アユを横流しし、背任罪が成立した事例です。この場長は、稚アユを無断で他県の養殖業者に販売し、その代金を振り込ませていました。裁判では、一度は横領罪が問われたものの、「不法領得の意思」が認められないことから背任罪にとどまり、懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決となりました。

  2. (2)取締役や監査役などの場合は特別背任罪

    背任罪を調べると、よく特別背任罪という似た犯罪名が出てきます。これは背任罪の特別版のようなもので、企業の重要なポジションにいる者にのみ科される罪です。

    特別背任罪は、背任罪と異なり、会社法(第960条、第961条)や保険業法(第322条、第323条)など、複数の法律によって規定されています。また、社会に与える影響が大きいことから、背任罪よりも科される罪が重いのも特徴といえるでしょう。たとえば会社法第960条では10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、もしくはその両方と定められています。

2、背任罪と横領罪の違い

冒頭でも紹介したように、背任罪と混同されがちな犯罪が横領罪です。横領罪とは刑法第252条で規定されている犯罪で、自分が占有している他人の物を横領した場合、5年以下の懲役となります。

これだけ見ると、一体背任罪と横領罪は何が違うのか、区別しにくいと感じるかもしれません。ですが背任罪は懲役刑または罰金刑とふたつの選択肢があるのに対し、横領罪は懲役刑しかなく、後者のほうがより重い刑罰となっています。どちらの罪に問われる可能性が高いのか、把握できるようにしておくことは重要といえるでしょう。

以下、主な違いをご紹介します。

  1. (1)不法領得の意思の必要性

    横領罪では、不法領得の意思があったかどうかが、ひとつの焦点となります。

    不法領得の意思とは、他人の物を自分の物にしようとする意思のこと。たとえば他人から委託された商品を勝手に売却して利益を自分のものにする、会社の経費を使って私物を購入するなどがあげられます。

    一方、背任罪の場合は、不法領得の意思がなくても問われることがあります。

    たとえば、会社の経費を使って、会社に必要な物品を購入した場合、「本人(会社)のために行われた」として不法領得の意思はないとみなされるのが一般的です。しかし、多額の経費を使っていたり、明らかに会社にとって不必要なものを購入していたりなど、与えられた権限を越えた行為を行い、会社に財産上の損害を与えた場合は、背任罪に該当する可能性があります。

  2. (2)対象となる範囲

    横領罪は、自分が占有している他人の物を、自分のものにしたときのみに成立する犯罪です。ここで示されている「他人の物」とは他人から委託された財物のことで、財物には動産(商品や家財)や不動産(土地や建物)が当てはまります。

    一方、背任罪の場合は、簡単にいえば、他人から与えられた権限を越えた行為をして他人に財産上の損害を与えたときに成立する犯罪です。そのため、横領罪よりも成立範囲が広いと見られています。

  3. (3)背任罪と横領罪は両立しない

    以上の違いから、ケースによっては、横領罪でなくとも背任罪には該当することがしばしばあります(先ほど触れた「稚アユ横流しの事例」もそうです)。

    また、背任罪と横領罪が両方成立することはありません。たとえば、対象物が金銭の場合は、最初に横領罪に該当するか検討され、横領罪に該当しない場合、次に背任罪に該当するか検討されるのが一般的です。

3、背任罪の量刑と逮捕後の流れ

もし背任罪で捕まってしまったからといって、すぐに懲役刑や罰金刑が科されるわけではありません。実際に刑に服するのは、警察や検察による捜査、刑事裁判、を経てからとなります。判決における量刑は、犯罪の内容や動機、用いられた方法、犯行後の態度などさまざまな事情を考慮して、裁判官によって決定されることになります。

では、もしも警察によって逮捕された場合、どのような流れで刑事裁判まで進んでいくのか、見ていきましょう。

  1. (1)警察による取り調べ

    背任罪によって逮捕された場合、最初に警察による取り調べが行われます。警察が逮捕によって拘束できる時間は最大で48時間と決められていて、警察はその間に、被疑者を検察に身柄を引き渡すか(身柄送検)、釈放するかの判断を行います。

  2. (2)身柄送検

    身柄送検が決定すると、次は検察による拘束です。検察は刑事裁判に必要な証拠を集めつつ、24時間以内に引き続き拘束する(勾留)ため裁判所に勾留請求するか、釈放するかの判断を行う必要があります。

  3. (3)勾留

    勾留が決定した場合、検察が裁判所に勾留請求をしてから最大20日間、身柄が拘束されることになります。検察はその期間内に起訴するか、不起訴処分にするかを判断するために、引き続き証拠集めなどの捜査を行います。

  4. (4)刑事裁判

    検察に起訴されると、刑事裁判が行われ、判決が言い渡されます。

    裁判には正式裁判と略式裁判の2種類があり、正式裁判となれば法廷への出廷が必要です。略式裁判となった場合は、検察が提出した書面のみの審査なので、出廷の必要はありません。なお、略式裁判は、100万円以下の罰金または科料に相当する事件のときにしか行われないため、特別背任罪や横領罪のときは出廷が求められます。

4、背任事件を早期に解決するためには

もし、背任罪に該当する行為をしてしまった場合や、「背任罪に問われるかもしれない」と心当たりがある場合は、速やかに会社と示談することをおすすめします。示談が成立すれば、会社に被害届を提出されずに済み、逮捕される可能性が低くなるからです。反対に、早期の示談に踏み切れずにいると、会社からの心証が悪くなり、交渉が難航するおそれがあります。

ただ、会社に自分がしてきた行為を打ち明け、その中で話し合うのは精神的に負担が大きいでしょう。示談交渉に臨むのに不安がある場合は、ぜひ弁護士に相談してください。

また弁護士であれば、万が一逮捕されてしまったときにも、釈放や不起訴処分の可能性を高めることができます。

5、まとめ

背任罪の注意しなければならないポイントは、会社との信任関係に背いて財産上の損害を与えてしまった場合には加害者となりうる可能性があることです。また、場合によっては、横領罪というより重い罪が適用されるときもあります。

いずれにしても、ひとりで悩みすぎないのが大切です。ベリーベスト法律事務所 松山オフィスの弁護士にご連絡いただければ、できるかぎり有利な形で解決するようにアドバイスいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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